もじゃもじゃな人の雑記

当方は高専生でしたが今は腐れ大学生.今後は日記および備忘録として動きます.

【壁打ち】結界師ってマジでいい作品だと数年越しに確認した

今日も今日とて壁打ち。

タイトルにある通り、結界師という漫画について。

shogakukan-comic.jp

自分はアプリのサンデーうぇぶりで読んでいたんだが、完全版がちょっと前に出ていたらしい。


自分と結界師の出会いは多分小学校の頃だったと思う。
家族がコミックを購読していて家にあったので、とりあえず読んでいた。

しかし、当時は幼かったこともあり、かなり適当に読んでいた。
それもあってか、特に最終盤の展開はいまいち理解できておらず、バトルシーン以外は楽しめなかった記憶がある。

ところが、こうして時間がたってから読み返してみた結果、当時よりずっと大好きな作品になった。


そう感じるようになったのは、きっと登場人物に共感できるケースが格段に増えたからだと思う。

特に共感できると感じたのは、主人公の兄の墨村正守だ。

正守は弟(主人公)に対してコンプレックスを持っている。なぜなら、正守が長兄にも関わらず、彼の育った墨村家の当主は弟に決まっているからだ。それも、能力とかじゃなく、生まれながらに弟が受けた「神の信託」的な、理解の及ばないものが根拠だという。ふざけるな! と言ってもおかしくない境遇だ。

そんな彼は、作中では自分の価値を示そうと色々やる。陰で弟を助けたり、特に最終盤は、自分の実力が足りないことを自覚しつつも何か為そうと奮闘する。

この情けなくも必死なさまに、僕は改めて胸を打たれたのだ。

その他にも語りたい登場人物は多くいる。
結界師はそれほどまでに「応援したくなる登場人物」が多く登場する作品なのだ。


また、結界師は近年見た作品の中で(そんなに数多くもないが)悪役が気に入っている作品の一つでもある。
これの他には、「ヴィジランテ-僕のヒーローアカデミアILLEGALS-」なんかも素敵な悪役が出てくる。

僕の中で魅力的な悪役は、動機が理解できる(もし同じ状況に置かれたとき同じ行動をとるかもと思える)ことと、その動機に(僕目線で)空しさや悲しさがあること、の二つを満たすことが多いと思っている。

結界師の悪役は(詳しく説明すると盛大なネタバレのため詳細は割愛するが)、「気持ちは分かるけど、そっちを選んじゃダメじゃんか、気持ちは分かるけどさ……」と思わせる存在だった。

また、その動機を読者に伝えるシーンも良かった。
たった一つのセリフだけで、回想を使うこともなく過去を想起させる、そういうシーンだった。

それまでは考えがまるで読めない、人間らしくない敵だったのが、一つのセリフがあるだけで途端に近しい存在に思えるようになる、という衝撃的で貴重な体験を、そのシーンは与えてくれた。
その点においても、再読して良かったと思えた。


ネタバレなしだと、とりあえずこんなところか。

ネタバレありだとこれまた書くのに時間がかかりそうで面倒なので、ひとまずこれくらいにしておきたい。

とかくいい作品なので、ぜひ読んでみてもらいたい。ダークファンタジー好きへ特にオススメする。