今回読んだ論文は以下.
McNally & Jackson, Cooperation creates selection for tactical deception (2013)
協力の進化に関する研究群に連なるやつで,端的に言うと,詐欺師が湧くのは理論的に仕方がないというのを示した研究.
協力の進化とかについてはNowak著の進化のダイナミクス(リンクは和訳版)とか見ると分かると思う.今回で詳しく説明する気はとりあえずない.(追記:これとかも良いかも.短いし.)
もう少しだけ詳しく説明すると,
詐欺師というのは,はたから見ると協力的な取引態度なんだが,実際は搾取しようとしてくる人.
ゲーム理論の枠組みを使ってそういう人たちを評価すると,相手の言うことをホイホイ聞いちゃう人(協力的な人)とか,逆に頑として聞かない人(非協力的な人)とかの中で,ある程度オイシイ思いができる(生物学的に言うと淘汰に強い?)ということが分かった.
あと,結果をサポートするために霊長類において観察される騙しのデータと比較したりしてた(ここは読み飛ばし気味).
以下は感想とか.
- 詐欺師は強いというのは我々の感覚と合ってる気がする.
- ここからさらに,どうやれば詐欺するモチベーションのない環境を作り出せるかを検討していく必要はありそう.
これを引用してた研究で面白そうだったのはこれとかかな.ワンチャン読む(確率0.2).もしくは論文ため込みファイルの肥やしになる(確率0.8).